女子会をターゲットに
機械があればできるという話ではなく、製造技術自体も大事であり、職人芸が求められた。
フロリダ大学の教授たちはこの技術に魅了され、大学自身の持つベンチャー投資基金から投資もし、事業化に協力した。
そして数々の困難を乗り越え、天然ダイヤとまったく同質のダイヤモンドの製造に成功し、宝飾品として出荷できる域に達した。
これからの課題は、このダイヤを宝飾用として量産し、世界に販売網を作ること、そしてさらにこの人工ダイヤを使いシリコンに代わる次世代半導体の開発を進めることにある。
究極的な目標はむしろ後者にあるのだが、たいへんな研究開発費が必要なので、その開発費を捻出するためには、まず宝飾品として利潤を上げることから始めなければならない。
このJという会社が資金調達の相談にまず訪ねたのは、BCという当社のフロリダの提携先投資銀行だった。
Bの投資銀行家である、JMは当社とこれまですでに数件の案件を一緒にこなした友人であるが、彼らのネットワークはアメリカ国内にほぼ限られるので、Gーマーケットヘの展開を必要する本件のような案件に取り組むにあたっては、当社の参加を求めてくる。
このJという会社については、Jが詳細に調査し、Bとして取り上げることを決めた段階で当社の参加を求めてきた。
ロシアの技術がアメリカに渡り、アメリカの事業家と、州立大学の支援を得て育ち、実際に物を出荷できる状態に漕ぎ着けた。
最終的には次世代半導体の開発に直結する。
これ以上育てるには世界の資本家と、市場へのアクセスを必要としている。
当社も当社の顧客として取り上げるに値すると判断した。
一極支配の崩壊我々は直ちに、アメリカや日本の一流のダイヤモンド商にアプローチを開始した。
世界のダイヤモンドの小売は、約200家族に握られているという。
これらの有力者の中から支持者を得ることが極めて重要である。
ダイヤモンドの世界は今大きく変わりつつある。
かつてダイヤモンドは、世界のダイヤモンドの採掘、卸の6割強を握り、価格をコントロールする南アフリカ共和国のDという会社に支配されてきた。
Dは独占禁止法に違反していることが明確なため、同社の社員は社用でアメリカに入国することは現在できない。
一方、ロシア産、カナダ産、オーストラリア産のダイヤモンドが出回ることにより、この独占は確実に崩れつつある。
またDは2001年1月、Lと組んで、D・ブランドを作り、小売業界に進出することを明確にした。
この小売進出をさらに進める準備として、現在公開企業である同社は、少数株主が保有する株を買い上げ、会社を非公開にするという計画も打ち出した。
このように宝飾用ダイヤモンドの世界は今大きく変わろうとしている。
このような変化期にあって、ベンチャー企業には大きなチャンスがあると考えている。
「独占」はいつか必ず崩壊する日を迎える。
それは外部の敵によるものではなく、恐らく内部からの崩壊である。
我々は今、この「内部からの崩壊の芽」が何であるのかを見極める努力をしている。
半導体としての利用も一方消費者市場に目を向けると、ここ数年カラー・ダイヤモンドに対する需要が顕著に増加している。
Jはこれまでに、ファンシー・インテンスーイェローなど黄色系3色のダイヤを完成している。
現在透明とブルーを開発中だし、そして将来はブラックとレッドの開発を企画している。
カラー・ダイヤモンドの世界で「カルチャードーダイヤモンド」というブランドを築くことが当面の目標なのであるが、その特徴はカラー・ダイヤモンドとなろう。
中でも「ファンシー・イエロー」「ファンシー・インテンスーイェロー」という明るい黄色に関しては大きな需要があると判断している。
そして販路さえ確立すれば、この事業には自ずと資金がっくことになるだろう。
軍隊が戦略を一歩、一歩進めるように、K将軍と我々は科学技術とマーケティングカで、より消費者本位のダイヤモンド市場を創造する戦略を展開している。
さらに半導体としての人工ダイヤ開発も進んでいる。
そして人工ダイヤ製造と同じ技術でできるやはり半導体の材料であるガリウム窒素の開発も進んでいる。
人工ダイヤはシリコンに比べ約3万倍、ガリウム窒素は約400倍の半導体としての効率性を持つといわれている。
問題は価格であるが、Jの技術は、この問題を解決する可能性を秘めている。
半導体として完成し、量産体制を作るためには、世界をリードする半導体メーカーの研究所との連携が不可欠である。
我々は現在日本や韓国の半導体メーカーにアプローチしている。
人のための免疫を牛で作り出す次に欧州のバイオテクノロジー企業であるA社をご紹介しよう。
A社はオランダの証券取引所にすでに株式を公開している企業であるが、それほど大きな会社ではなく、常に緊縮財政で事業を営んでいる。
この会社が生み出したのは「ヒトのラクトフェリン」というものである。
ラクトフェリンが何であるかを簡単に説明すると、赤ちゃんが生まれて6ヵ月くらいの間は、予防接種もなにもしないのに病気をしない。
それは母親からもらった免疫が効いているからだ、ということは昔から伝えられている。
この「母親からもらった免疫」の元がラクトフェリンなのである。
これは母乳に含まれる一要素である。
したがって、人間が大きくなっても、この「母親が作るラクトフェリン」を摂り続ければ、人間は多くの病気から守られるはずである。
しかし実際には、人間の授乳期の女性からミルクを絞り、それを一般の人々に販売するということは不可能である。
人間のラクトフェリンに代わるものとして、当然のことながら「牛のラクトフェリン」が取り上げられた。
日本では実際にMが製造している。
牛から摂ったラクトフェリンは「ボーバインーラクトフェリン」と呼ばれ、実際に韓国や日本ではベビーミルク、ベビー食品、歯磨き、栄養補助剤などに添加し、利用されている。
年間売上が約3000万ドルの市場となっている。
しかし、ヒトのラクトフェリンと牛のラクトフェリンでは約65パーセントしか中身が一致しない。
A社は「牛にヒトのラクトフェリンを製造させること」を計画し、実現した。
A社は遺伝子工学を使い、「人間のラクトフェリンを作る牛」を創り出すことに成功したのである。
中国企業との提携この技術を完成した段階で、A社が当社のBBを訪ねてきた。
当社はこの技術と製品の普及のため、世界の有力企業と提携戦略を進めることを進言し、彼らは我々の進言を聞き入れた。
まず当社は韓国または日本企業と提携し、薬用以外、すなわち栄養補助材としての世界中でのマーケティングの権利を彼らに与えることを提案した。
当面の主たる市場は韓国と日本になるであろう。
次にこのヒトのラクトフェリンを作る牛の飼育と、ラクトフェリンの製造であるが、これには中国またはニュージーランドの企業を充てることで準備を進めている。
現在この「ヒトのラクトフェリンを作る牛」は欧州で飼育されているが、やがてアジアでも飼育されることになるであろう。
この取引を検討している中国企業は、中国共産党が経営する医薬開発企業で、この新たな提携の話を進めるためにBBは真冬の中国に飛んで交渉を開始した。
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